首吊り芸人は語らない。 RSS

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4th
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 兄さんに会った。健康?って訊いたら、健康だよって言ってた。よかったねって言った。おまえはどう、って訊かれて、健康だよって言ったら、そう、って言ってた。
 兄さんと昔の話をした。浮遊感があった。傷つきながら喜ぶような、変な気持ちだった。俺はおまえのことそれなりに好きだよ。でもそれは、共有しているってことだけなのかもしんないんだよ。おまえが覚えているから俺は忘れられるのかもしんないんだよ。おまえが許していないから俺は許せるのかもしんないんだよ。おまえはそれがどのくらいつらい?って。
 つらくなんかないよ、すこしも。ねえ私たちは、私たちにこれから起こることのある、別々の不幸な出来事に、お互いそれなりに同情的になれるのかな、って言ったら、兄さんは変な色に染まっている頭を後ろにぐっぐと傾けて、ぽとぽとと黙って、それから、同情するよと言った。やさしい言葉だと思った。私は頭が真っ白になったから、うんってしか言えなかった。